今まで読んだ書物のどこにも答えは載っていなかった
人は、何のために生まれるんだろう…
終わった生が、また始まる
じゃあ、今のある僕はどうなるんだろう
僕は僕でなくなるんだろうか
…僕には肉体がない
あるのは魂
魂は新しい生に変わるとき消えてしまうんだろうか
今ある僕も消えてしまうんだろうか
朱雀七星士として、巫女や仲間たちと戦ったこと
いろいろなことを教えてくれた
大切な仲間
それもすべて、消えてしまうんだろうか
忘れたくない!
大切な思い出だから、
命を投げ出しても守りたいと思った
大切な仲間だから
かけがえのない思い出だから
『生まれ変わった星宿さまに会いに行くのよ!』
柳宿さんが生まれ変わるときに言った言葉
どうやって…
生まれ変わったら、今までのことなんて覚えてないのに…
『体がなくとも心はここにある。なんら変わることはない』
診宿さんが僕たちに言ってくれた
僕たちはもうすぐ転生する
新しい自分への旅立ちであり、今までの自分との別れである
けれど、
記憶をなくしても、きっとこの想いは胸に残るから
だから
怖いことではない
きっと、また会えるから
どこかで僕たちは出会えるから
忘れたわけじゃない
だから怖くはない
星宿さんと柳宿さんは転生した。診宿さんももうすぐ転生する
1人になるけれど、
大丈夫なんだ
この話は前に『大切な人のために』の話を書いたときに思ったことです。
だって、怖いじゃないですか。
自分が自分じゃなくなるって。
自分なんだけど、今までの記憶は消えてしまうって。
それが自分に誇りを持っている人ならなおさら。
転生するときみんな一度は考えるんじゃないでしょうか。
2006.06.28